名松線に乗ってきました

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2016年3月26日に名松線が復旧しました。

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<土砂災害との闘い>

今まで知っているだけで2回、土砂災害に見舞われたました。途中の家城までは平坦な地形ですが、その先は雲出川という川のがけに沿って線路が敷いてあります。土砂災害に見舞われやすい線です。

私が最初に名松線を見たのは、大学生だった頃。演習林へ行った帰り、車で側道を通りました。まだ国鉄でしたが、そのときも土砂崩れで終点の伊勢奥津駅には気動車ディーゼルカー)が取り残されていました。家城駅より先は代行バスでの運行でした。

一旦は国鉄の廃止対象路線になりましたが、存続運動と、当時は道路が狭く未整備であったため存続になりました。

その後はローカル線のご他聞にもれず、沿線が過疎化、林業が衰退して、山林が荒れるようになりました。また最近の温暖化によって豪雨が山間部を襲い、土砂災害があちこちで見られるようになりました。名松線も例外ではなく、2009年台風の土砂災害で不通になりました。特に幹線でもなく、道路も整備されていて、盲腸線だった名松線JR東海は、不通区間を廃止してバス化すると計画します。そしてまた存続運動が起こりました。国鉄時代と同じことの繰り返しでした。存続運動の結果,山林と、河川の整備を条件に名松線は、再び復旧しました。

2度?の復旧なので、あるいは奇蹟かもしれません。

三重県が10億円以上の費用をかけて、山林、河川を復旧しました。しかし、この先も土砂災害が起こらないとは限りません。名松線を残す以上、土砂災害のリスクは避けれません。

 

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今も数箇所残る土砂崩れの後です。

 みっともない画像で冒頭から申し訳ありませんが

(毎年、豪雨が起こり、土砂崩れがある以上、山林と河川の整備は鉄道が通っていようと、いないに関わらず、不可欠ではないでしょうか? 人が住んでいる以上、当然行わなければならないと思います。三重県の言い分もよく分からないです。)

 

<公共交通としての名松線

名松線は松阪から途中の家城まで25.8km、終点の伊勢奥津までが43.5km(営業キロ)  ここを約90分で走ります 表定速度は約31-33km。原付並みの速度です。              

名古屋から伊勢方面を走る特急南紀や快速みえが90分で名古屋と松阪を走ることを考えると、ずいぶんのんびりとした感じです。

 クルマ社会の今日、併走する道路が整備されているにもかかわらず。またそれほど輸送需要があるとも考えられない路線が、なぜ存続したのか一度乗車してみたくなり連休の2016年5月5日に行ってみました。

  

<休日でにぎわう名松線

行く前は休日でも、1両の気動車が行きかうローカル線だと思っていました。

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同じくキハ11が残ったローカル線の城北線もたいてい休日は1両で走っているからです。<東海交通事業 城北線 枇杷島駅>

 

 

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(JR松阪駅 名松線ホーム)ところが行ってみたら終日2両で運転されていました。名松線は常時2本の列車が運転されていますが、2本とも2両でした。しかも立ち客が出るほど。(いつも休日は2両かどうかはわかりませんが)

 

この日は、帰りに名古屋駅で見ましたが、名松線で4両あるキハ11のうち2両が検査で名古屋入りでしたので、代わりにキハ25の1000番台が2両入っていました。マニアにとっては珍しいかもしれませんが、ロングシートなので、観光には向きません。(私はあまり好まないこともあり、乗車しませんでした)

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家城駅で列車交換します。松阪から家城までが1閉塞。家城から終点伊勢奥津までが1閉塞  計2閉塞です。ですので信号機は赤と青の2灯。

 

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またここでは通票による閉塞(票券閉塞も)が行われています。10年以上前、廃止された名鉄美濃町線を思い出しました。

ただ美濃町線と違うのは、信号機とATS地上装置らしきものが線路にみえたのです。美濃町線の場合、廃止の少し前 下芥見駅までは信号機がつき自動閉塞になりましたので、この間は通票閉塞をやめました。下芥見から関駅までが通票閉塞で残りました。この区間は信号機すらありませんでした。 信号機とATSがあれば通票はいらないと思いますが。この信号機は出発信号機かもしれません。でも2閉塞区間なら出発信号機はいるのか?  あるいは私が誤解したのでしょうか?

 

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伊勢竹原駅で下車して、列車の写真を撮ることにしました。

  

 

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伊勢竹原駅舎 駅名が右から書いてあります。戦前からのものでしょうか。

 

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 雲出川沿いにある君が野ダムから雲出川へ流入する川を渡るところのキハ25の2連です。後ろが欠けてしまいました。2時間に1本では次を待つのは時間的に無理であったので、またの機会にします。

雲出川を渡る写真は、次の伊勢鎌倉駅のほうがいいかもしれません)

 

 

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車窓から見た伊勢八知駅です。木造でいい感じの駅舎です。

 

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 ところどころにお茶畑も見えます。

 

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列車は次第に雲出川沿いに山間を走っていきます。

 (車内から撮ったので、画像は悪いと思います すみません)終点の手前、少し勾配がきつくなります。

 

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終点の伊勢奥津駅です。

 

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皆さんがよく撮影されるつるに覆われたSLの給水塔。

ここから主だった観光地へ向けて、無料バスが運行され、利用客が乗り換えていきました。

この観光客が、主な利用者だったかもしれません。

 地元の人は「名松線は有名な観光地がない」という人もいます。しかし一般的な傾向として感じることは、「列車の旅=観光資源」として考える観光客がかなり存在する感じです。そうであれば沿線に有名な観光地は要りません。

沿線の昭和からの駅も、整備して文化財として残せば、利用価値がありそうです。

 

大都市圏から1-1.5時間位の位置にあるローカル線が休日になると、日帰りで旅行気分を味わう乗客が最近かなりいるように思います。同じローカル線でも名古屋市のとなり枇杷島-勝川を走る城北線は平日、休日ともに変化はありません。

これは関東、関西圏でも同じではないでしょうか、(関東には城北線のような路線はないと思いますが)、沿線に日帰り温泉を作ったり、グルメ列車を走らせたり。需要を掘り起こそうとしています。

せっかく多額の税金をかけて復旧したのですから、これからも様々な乗客誘致を行うでしょう。

 

 <おまけ>

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松阪駅には「あら竹」という弁当屋さんがあります。 老舗の弁当屋さんで国道41号線沿いにもドライブインがあります。名物松阪牛を使った弁当が主です。掛紙に、列車の写真をつけたものや、列車の絵葉書(有料)でつけてくれます。その他変わったお弁当が並んでいます。特定の弁当を欲しければ電話予約がいいでしょう。

 ドライブインに保存してあったC11がレストアされて大井川鉄道で復活運転したのは有名な話です。

 乗車券

名松線へ休日旅行するときはJR東海が土曜休日に発売する 青空フリーパス というフリー切符だと安価に行けます。JR東海の名古屋周辺の区間がフリーです。おとな2570円? JR東海みどりの窓口指定席券売機、自動販売機(主要駅のみ)で手に入ります。特急、指定席などを利用する場合は、追加料金が必要です。ただし東海道新幹線サンライズ出雲・瀬戸は利用できません。

 

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